職場で複数人からのパワハラが続いています。業務中の会話を録音して証拠として残すことはできますか？

今回の相談について

今回の相談は、
作業場で日常的に繰り返されている会話や指示、叱責を、
一部の発言だけではなく、
業務中の流れとして録音し、
後から証拠として確認できる形で残したい、という内容でした。

被害者個人にボイスレコーダーを持たせる方法では、
発言の前後が欠けやすく、
特定の発言だけが切り取られてしまう可能性があります。
また、作業場内に機材を置く方法についても、
人の出入りが多く、
他の従業員が触れてしまう可能性や、
設置していること自体が知られてしまう点が判断材料になります。

今回のケースでは、
作業場に設置しても違和感が出にくいことに加え、
会話や指示が集まりやすい位置に設置できる点を重視し、
コンセント型の盗聴器と、
録音機能を備えた受信機を組み合わせた構成が選ばれました。
相談時点で、
設置場所と集音位置の両方を確保できることが、
判断の軸になっています。

運用としては、
作業場内にコンセント型盗聴器を複数設置し、
近くの事務所側で受信機による録音を行う形になります。
1台のみでは拾いきれない音のエリアについても、
設置台数を分けることで、
作業場全体で交わされる会話や指示を
環境音としてまとめて録音する運用が想定されています。

録音する時間帯は業務中のみを前提としており、
受信機側の連続録音時間は約11時間です。
業務時間が約8時間である今回の条件では、
録音時間としては十分に対応できる範囲になります。
日をまたがず、
業務中のやり取りをそのまま音声として残す構成です。

このように、
個人に機材を持たせる方法ではなく、
作業場の環境として録音を行うことで、
発言の前後関係を含めた音声を残しやすくなります。
どの範囲の音声を証拠として残せるかは、
実際に設置する位置と台数によって変わってきます。