盗聴に録音機を使用する場合の知っておくべき基礎知識
盗聴と聞くと一般的には盗聴発信器を使用する方法、つまり会話を電波で発信し、それを外で受信して聞く方法をイメージします。
しかし、盗聴の方法にはそのような盗聴発信器の使用だけでなく、録音による盗聴という方法もあります。
録音盗聴には盗聴発信器を使った場合とは異なる様々な特徴があります。
今回は録音盗聴による盗聴方法を詳しく解説します。
録音という盗聴方法
盗聴とは本来その場にいないと聞けない会話内容を、その場にいないのに聞くことです。
その場にいないのにどうやって聞くのか、その方法の一つが最も代表的な盗聴発信機の使用です。
盗聴発信機は仕掛けた周囲の音声を電波で発信します。
従って、電波が届く範囲であれば受信機を使用し離れた場所で会話を聞くことができます。
そして、別の盗聴方法の一つが録音盗聴です。
録音盗聴は、聞きたい会話が行われる場所に録音機を仕掛けて録音し、後から録音内容を聞く方法です。
録音盗聴のメリットとデメリット
録音盗聴は、盗聴発信器を使う場合とは違うメリットやデメリットがあります。
【盗聴発信器 − 盗聴用録音機 比較表】
盗聴発信器 | 盗聴用録音機 | |
盗聴発見器のリスク | ×(発見される) | ◯(発見されない) |
価格 | ×(高い) | ◯(安い) |
記録と聞き直し | ×(記録されない) | ◯(何度でも聞き直せる) |
長時間盗聴の労力 | ×(ずっと聞いてなければならない) | ◯(早送りなど活用可能) |
リアルタイム性 | ◯(現在の会話が聞こえる) | ×(回収後に聞く) |
回収の手間 | ◯(回収不要) | ×(回収が必要) |
それぞれの項目を詳しく解説します。
録音盗聴のメリット
盗聴発見機で見つかる心配がない
盗聴発見機は盗聴器が発信する電波を検知する発見機です。つまり電波を検知出来なければ盗聴器を発見できません。
盗聴発信器は仕掛けた場所の会話を電波で発信するので、盗聴発見機に検知され、盗聴器の存在を発見されてしまう可能性があります。
録音盗聴は録音機を仕掛け、その場合の会話を本体が記録するだけなので電波を発信しません。そのため盗聴発見機で発見されることがありません。
安い
録音機は電波の発信が不要なこともあり、盗聴器に比べると安価です。
また、盗聴発信器を使用する場合は会話を聞くために対応受信機が別途必要で、その費用も考慮しなければなりませんが、録音機は単体で使用するためそのような費用は不要です。
記録と聞き直し
録音機で盗聴する場合、会話内容は録音機に記録されているため、何度も聞き返したり、記録ファイルを保存したりといったことが可能です。
盗聴発信器を使用した場合は、会話を一度聞き逃すと二度と聞くことはできませんが、録音機にはそのような心配はありません。
長時間の盗聴が可能
例として週末の2日間の盗聴をしたいとします。しかし、ターゲットがいつ会話をするのかはわかりません。
このような状況であっても録音機を使用すれば、電池寿命と録音容量を考慮した録音機を仕掛けておき、二日間放置しておくだけでその期間全ての会話の盗聴記録が可能です。後から回収した録音内容を都合が良い時間に聞くことができ、必要に応じて早送りも活用できるので効率的で失敗がありません。
盗聴発信器を使用して盗聴する場合、二日間の合計48時間の間ずっと盗聴器の近くで受信機を手に聞き続けなければなりません。これは現実的とは言えません。
録音盗聴のデメリット
リアルタイム性なし
録音機での盗聴において、盗聴発信器での盗聴との最も異なる点は会話をリアルタイムに聞くことができないという点です。
盗聴発信器であれば、今現在の会話を聞いているため、場合によっては何かの現場に踏み込むといった事も可能ですが、録音機はあくまで録音された内容を後から聞くことしかできないため、過去のことしか知ることができません。
回収が必要
録音機は仕掛けた場所で、録音機本体が周囲の会話を記録し保存します。そのため、その記録された会話を聞くためには必ず録音機を回収しなければなりません。
録音盗聴を行う際には仕掛ける場所についても、録音に有利なだけでなく回収のし易さを考慮する必要があります。
録音盗聴の録音機は大きく分けて3種類
録音盗聴をする場合、使用する録音機には大きく分けて3種類あります。
- 方法1:スマートフォン
- 方法2:一般録音機
- 方法3:盗聴用録音機
表で比較するとこのような違いがあります。
【各録音方法の違い】
利点 | 欠点 | |
スマートフォン | 手持ちのスマホを活用可能 初期費用がかからない | 発見されると所有者が特定される恐れ |
一般録音機 | 入手が容易 所有者が特定されない 比較的安価で購入可能 | 盗聴専用機ではないので仕掛けにくい 偽装タイプがない 盗聴目的での専門的なサポートが受けられない |
盗聴用録音機 | 所有者が特定されない 仕掛けやすい マイク性能が良い 比較的安価で購入可能 盗聴器専門店の専門的なサポートが受けられる | 一般店では販売されていない 主に通販で入手 |
それぞれを詳しく解説します。
方法1:スマートフォン
誰でも持っているスマートフォンには録音機能が備わっており、録音機としても使用できます。このスマートフォンを録音状態のまま仕掛けるのがスマートフォンを使用した録音盗聴です。
利点
誰でも手持ちのスマートフォンを活用し、費用を一切かけずにすぐに録音盗聴を始めることができます。
欠点
スマートフォンは本体と所有者が密接に関連付けられています。そのため仕掛けたスマートフォンを発見された場合、仕掛けた所有者が特定される大きなリスクがあります。
さらに仕掛けている間はスマートフォンが使えない不便さ、そして盗聴期間中はスマートフォンを持っていない事による日常生活の不自然さも目立つ可能性があります。
方法2:一般用ボイスレコーダー
一般用ボイスレコーダーは、大型電気店やホームセンターで見かける普通のボイスレコーダーのことを指します。通常は会議や話し合いの記録、日常生活のボイスメモ、音楽の視聴などの用途に使用する普通の録音機です。
利点
一般用ボイスレコーダーはどこでも売っているため入手が容易です。気軽に入手できる点が利点です。また、スマートフォンと違ってボイスレコーダーは所有者の情報と紐づいていないため、発見された場合にも仕掛けた人が特定される事はありません。
欠点
盗聴用ではなく日常使用が前提なので、大きさも手に馴染む大きさになっており、特別小型にはなってていないため仕掛けにくい場合もあります。
当然ながら盗聴に有利な電卓型などの偽装タイプもありません。
マイク性能なども盗聴用には作られていないため、どのくらい盗聴用として使えるのかは試してみないとわかりません。
販売店は一般の小売店なので、盗聴を目的とした専門的なサポートを受けることは出来ません。
方法3:盗聴用録音機
盗聴用録音機は盗聴用途に特化した録音機です。仕掛けやすさを追求した小型化、電池や録音時間の長時間化、マイクの高感度化、偽装タイプの存在など盗聴に最適な録音機になっています。
利点
・秘匿性
一般用ボイスレコーダーと同様、万一発見されてもスマート本とは違い所有者が特定される心配はありません。
・隠しやすい
盗聴用録音機は隠して仕掛ける事を前提としています。小さいもの、目立たないもの、ボールペンや電卓に偽装したものなど、シーンに応じて最適な機種が存在し、より確実に目立たず仕掛けることができます。
・高い集音声(マイク性能)
盗聴用録音機は一般用録音機と違い、仕掛ける場所によっては会話の近くで録音できるとは限りません。そのため、より遠くの会話でも録音できるようにマイク感度が高性能になっています。小さな声や小さな音でも有利に録音できます。
・価格
盗聴器は比較的高価で、さらに受信機も別途必要なので、盗聴を始める際には一定の費用がかかります。一方、盗聴用録音機は単体で使用でき、価格も盗聴器に比べ安価です。
・カスタマーサポート
一般用録音機などは一般の販売店で購入するため、盗聴目的におけるサポートを受けるのは困難なです。よりよく盗聴をするための相談や質問は、メーカーも販売店も受付ななったり、対応できない可能性がありますし、相談もしにくいと思います。
盗聴用録音機は当店のような盗聴器専門店で購入するため、盗聴を主目的とした専門的な質疑応答やアドバイスなど、十分なサポートを受けることができます。
欠点
盗聴用録音機の唯一と言える欠点は入手性です。
身近な電気店やホームセンターなどでは販売していないため、当店のような盗聴器専門店で購入する必要があります。また、必然的に通販での購入が多くなりますので、手元に届くまで1〜2日かかります。
盗聴録音には盗聴用録音機がベスト
今回は録音機で盗聴する場合の、盗聴発信器を使用した場合の盗聴との違いや、録音盗聴の全体の概要、録音機をタイプを3つに分け、それぞれの方法によるメリットデメリットを解説しました。
結果として総合的に考えると盗聴用録音機が最適であると判断できます。
盗聴を通して最も重視すべきポイントは失敗しない確実性です。これは情報という最大の武器を手に入れるために最も大切な事です。もしかしたらたった一度しか発せられないかもしれない貴重な言葉を確実に記録し、耳にし、事実を知ること。それこそが盗聴の最大の目的です。そして、発見されにくさ、高性能のマイク感度、昼夜を問わない盗聴録音の実施など、盗聴用録音機は全ての面において理想的です。そして盗聴器専門店で購入することで、問題や質問がある場合にも、遠慮なく率直に、盗聴を成功させるための具体的なアドバイスや対応を得ることができます。
自身を守るためのかけがえの無い貴重な情報、それを確実に得るために、盗聴用録音機をお役立ていただければ幸いです。