盗聴に関する3大自動機能 VOS・SVOS ・VOX機能
盗聴に関する機器には様々な自動機能が存在し、盗聴の効率化が図られています。
しかし、機能の一般名は英文の略語がつけられており、慣れるまではピンとこないものです。
今回はそれらの自動機能の種類と役割について詳しく解説します。
ボイスレコーダーに関する自動機能
ボイスレコーダーに関する自動機能にはVOSとSVOSの2種類があり、それぞれ目的が異なります。
まずはベースとなるVOS機能があり、その上にSが付く上位版があるというイメージです。
略称 | 名称 | 動作 | 特徴 |
---|---|---|---|
VOS機能 | 音声起動録音 | 無音時に一時停止 | 無駄な録音をカット |
SVOS機能 | 音声監視録音 | 無音時にスリープ | 無駄な録音+消費電力をカット |
VOS機能
音声起動録音機能のことで、VOSは Voice Operation System の頭文字をとったものです。
録音中にマイク入力が無音の状態を検知すると自動的に録音を一時停止し、音声を検知すると録音を再開します。
長時間録音を行う場合に、夜間や不在時など無音時の無駄な録音がありません。
メモリ容量を節約でき、録音内容を確認する際にも無音時の無駄な録音がないため、効率的に確認作業を行うことができます。
SVOS機能
音声監視録音機能のことで、SVOSは Super Voice Operation System の頭文字をとったものです。
録音中にマイク入力が無音の状態を検知すると自動的に録音を一時停止し、本体の電源もスリープ状態になります。
音声を検知すると本体の電源が起動し、録音を再開します。
長時間録音を行う場合に、夜間や不在時など無音時の無駄な録音がないばかりでなく、電源もスリープ状態になることから消費電力が最低限となり、非常に長い期間の自動録音が可能です。
メモリ容量を節約でき、録音内容を確認する際にも無音時の無駄な録音がないため、効率的に確認作業を行うことができます。
ボイスレコーダーの自動機能まとめ
ボイスレコーダーによる録音盗聴は、本体を仕掛けて録音をスタートし、そのままにしておく盗聴方法です。
もし何の機能も付いていないボイスレコーダーで録音すれば、有用な会話も、無駄な静寂も、全て録音します。この録音内容を聞いて確認する作業は、膨大な時間と労力が必要です。そして多くの場合、仕掛けている間のほとんどはこの無駄な無音時間になります。
VOS機能を使用すると、無駄な静寂の時間が自動的にカットされて録音されるため、効率良く会話のみを聞いて確認することができます。ボイスレコーダーで盗聴する際には、最低限でもVOS機能が搭載されているボイスレコーダーを選びましょう。
ボイスレコーダーの最大稼働可能時間を考えたときには、最大のネックとなるのはメモリ容量ではなく電池寿命です。通常の電池寿命では対応しきれないような長時間の録音盗聴をするのであれば、SVOS機能を搭載したボイスレコーダーが最適です。
盗聴発信器に関する自動機能
盗聴発信器に関する自動機能としてVOX機能があります。
VOX機能
音声起動送信機能のことで、VOXは Voice Operation Control を略したものとされています。
トランシーバーやインカムなどの無線通話装置ではVOX機能を利用し、ヘッドセットなどハンズフリーの環境でもマイクに向かって声を出すだけで相手への送信を開始できるといった活用がされています。
盗聴発信器でも基本は同じで、周囲に会話など音がある場合のみ盗聴発信器がそれを検知して電波の送信を開始します。
周囲が無音時には電波の送信を停止するため、無駄な電波発信がなく発見されにくい(盗聴発信器の多くは盗聴電波を頼りに盗聴器の有無を判断します)、電池式の盗聴発信器の場合には電池が長持ちするといった利点があります。
欠点も同時にあり、離れた場所から盗聴電波を受信するときに電波が受信できないといった場合に、その原因がVOX機能の作動のせい(ただ室内が静かなだけ)で電波の送信を停止しているという可能性がある限り、距離や位置の問題なのか(もっと近づいたり場所を移動すれば聞こえる可能性があるのか?)、電池式の盗聴発信器であれば電池が切れたのか、盗聴発信器の本体の故障なのか、盗聴発信器が発見され撤去されてしまったのか、などの受信できない原因を推測することが出来ません。
盗聴発信器の自動機能まとめ
VOX機能は周囲の音を検知して自動的に電波の送信と停止を切り替えます。一見優れた機能ですし、実際に通話が必要な様々な現場においては必須機能として活用されています。
しかし盗聴発信器について考えると、盗聴の確実性と受信不能時の原因特定性の観点から、不要な混乱を避ける意味においても盗聴発信器は連続して電波を発信しているほうが良いと判断できる場合もあります。
また、電池式盗聴発信器の場合にはVOX機能を搭載することで電波の発信を最低限にし、電池が節約できるというメリットもあります。
このようなことから、現在VOX機能を搭載した盗聴発信器は電池式のCDW-500のみとなっています。
最後に
今回は盗聴に関する機器でよく目にするVOS機能、SVOS機能、VOX機能について詳しく解説しました。
機能の一般名がアルファベットの略語になっているためわかり辛かったかと思いますが、今回の説明で理解できたのではと思います。
それぞれの機能の内容や特徴などを十分に理解することで、ご自分の目的に最適な機器を選ぶことができるようになります。
今回の内容を盗聴機器を選ぶ際に是非お役立てください。